背中

−−−そう、笑顔で。笑いながら。−−−

自分は出来る子だ、と何度言い聞かせたことか。結局ウロウロするだけで、少し期待してた自分が恥ずかしく思えてきた。あー、今すぐここから脱出したい。でも、既にカゴはいろんなものが入ってる。今更戻せないし。マフラーとニットキャップを着けてきたのが不幸中の幸いって所だけど…。アドリブがきかない自分が嫌だ。こんなにもヘタれな自分が嫌いだ。もう相手は忘れてるかもしれないし、…いや、そうだよもう2年以上昔の話だし。偶然を装って久しぶり〜、みたいな。っっっよし!−−−−−っやっっっぱ無理!ムリ!あんな気持ち悪い手紙*1もらったらトラウマになるYO絶対。あー、もうどうしよう。でもとりあえず精算しないと…。今、隣のレジに人がいるからそっちに行こう。ウン。そうしよう、コッチはお客様だからね。神様だよ神様。よし、ニットキャップを深く被ってってこれじゃあ前が見えないカラ、って1人ノリツッコミしてる場合でも無いし。…いや、待てよ、根本的なとこから考えてみよう。結局返事は返ってこなかったけど本当は恥ずかしくて出せなかっただけ、とか。もしかしたら、イジワルな継母が手紙を勝手に破り捨てた、とか。実は、不慮の事故で記憶喪失になってたり…とか。あ〜り〜え〜る〜。ごめんなさい……茶番はこれくらいにして、今この状況をどう乗り越えるか考えよう。思い浮かんだ選択肢は…。

  1. 思い切って体当たり。いや意味は少し違うけど、そのレジに行くって意味。
  2. 頑張って隣のレジに行く。それだけでも十分勇気が必要です。
  3. この際、万引きだぜっ!犯罪です。
  4. 貧血で倒れ、救急車で運ばれる。そのとき、正体がバレてしまい彼は一緒に着いていくという。一段落して病室、目が覚めると隣に彼が…手を握っていた。「ゴメンな…手紙の返事返せなくて」「…憶えてたんだ…」「これからその返事してもいいかな」「…うん。」「実はwqerfcgsvbfhldn:g,(ry…妄想してたw

そんなB級ドラマみたなシナリオは脳内だけに留めておいて、無難に2番でF.A!!!!
本当にあと何歩か頑張ったら彼のところに行けるけど、それは出来ません。何か卑怯かな、なんて。こんなことを考える時点で大分おかしいですが…。結果無事に精算を終え、案外スンナリいけた。帰りは一回も後ろを振り返らずに帰ることができました。次回は笑顔で。

*1:ラヴレターっつうやつ